2.活性化の方向性と具体的方策
(1)今以上の素通り化の進行の抑止
方向性(1)-1.リードタイムの短縮
・わが国においては従来より港頭地区における貨物の滞留時間の長さが指摘され、これまでも港湾運送事業者をはじめとする関係者の不断の努力により時間短縮への取組みがなされてきたところであるが、時間価値がますます高まる最近の経済情勢の中で、これまで以上の対策を講ずることが重要となってきている。
・実際、荷主企業へのアンケート調査においても、輸出入貨物の港頭地区の素通り化を進めていく理由の一つとして、内陸部において作業を行った方がリードタイムの短縮が図られることがあげられており、自由回答でも貨物ができるだけ早く入手できる体制を構築して欲しいとの要望が多く寄せられた。
・このような問題意識は物流事業者も有しており、アンケート調査においても、荷役作業の迅速化は、重要度が高く、かつ実現が比較的容易であるとの結果が得られている。
・港頭地区における物流事業の活性化を図るに当たっては、内陸部の物流事業者と遜色のないサービスを実現することが必要不可欠であるが、実現可能なところから着実に進めることが重要であり、まずは、本船から貨物を受け取ってから荷主に引き渡すまでに要する時間(リードタイム)を短縮するための港湾における業務の効率化に優先的に取り組むことが必要である。
・そのための方策としては、通関予備審査制度のさらなる活用による事務作業の迅速化、次期Sea-NACCSの積極的な活用による事務処理の効率化、物流事業者の企業内EDI化の促進による事務処理の効率化等が考えられる。
《具体的方策》
1] 通関予備審査制度の活用による事務作業の迅速化
2] 次期Sea-NACCSの導入による事務処理の効率化
3] 企業内EDI化の促進による事務処理の効率化
4] 高度な荷役機器等の導入による作業の迅速化・効率化