6.3.4 本線試験台車の設計条件
今回の実物1軸試験台車の台上走行試験装置による試験、及び理論解析との対比の結果から、本線走行試験に供する試験台車の設計条件が明確になった。
即ち、基本的には台上試験に供した台車の構造で構成が可能であるが、次の点を考慮した台車とする。
(1) 小曲線での操舵性向上の見地より、枕ばねの横剛性は柔・剛二種類の中から剛の方、kτγ=10×105N/mを採用する。
(2) けん引装置は、支点の剛性の有無による走行安定性の差は無いので、摩耗部分の無いゴムブッシュを用いた剛性有りのタイプを採用する。
(3) 時速160?q/h迄はヨーダンパ無しでも安定な走行が可能であるが、それ以下の速度での乗り心地向上に対する効果の有無を調べるために、ヨーダンパが取り付けられる構造とする。
(4) 左右動ダンパは乗り心地向上の見地から取り付けるが、ヨーダンパの役割も期待出来る性能のものを選定する。
(5) けん引装置の取り付け位置が走行安定性に及ぼす影響は、時速160km/h以下での走行では認められないので、けん引装置は各台車の車端側に取り付ける。