(4) 台車条件
シミュレーションに用いた台車条件は、実験に合わせて、柔支持条件(SS)と剛支持条件(HH)の二通りとした。
(5) シミュレーション結果と考察
1) 解析結果
図1に、柔支持条件(SS)の場合のシミュレーション結果を示す。表示項目は、実験に合わせて、前・後軸それぞれの内外軌車輪における、輪重、横圧、脱線係数である。図2には、同一条件での前後軸のアタックアングル、操舵角、左右変位、ボギー角、車体ヨー変位を示す。
図3、4には、同様に剛支持条件(HH)の結果を示す。柔支持、剛支持とも最終的な値には差が見られるものの、全体的な傾向はほぼ等しい。
先ず、前軸外軌側の横圧とQ/Pの変化では、曲線半系が小さくなるほど横圧が大きくなる傾向にあり、R500付近から急激に増大する。しかし、R400より小さい半径では横圧はあまり変化しない。
前軸内軌側の横圧とQ/Pの変化は外軌側と同様、R400から半径が大きくなるほど横圧が小さくなり、R400より小さい半径では横圧はあまり変化しない。
アタック角については、シミュレーションの結果は前軸だけが変化し、R200からR500まで急激に小さくなり、そこから先半径が大きくなると漸減する。後軸の値はほとんどゼロである。外軌と内軌を比較すると横圧は全体に内軌の方が大きい。
ボギー角について、前軸がR400、後軸がR300より曲線半径が大きいところでは、半径が大きくなるとボギー角は小さくなる傾向がある。この曲線半径がそれぞれの傾向の変化点となる。このとき前後台車のボギー角共に負の値となっている。しかし、それぞれの傾向の変化点より小さい半径では、必ずしもそのような傾向を持たず、特に後台車のボギー角は正の値になり、前台車と反対の向きになる。
輪軸操舵角(台車-車輪相対角)については、前後ともにボギー角と同様の傾向であり、その値はボギー角より大きい。
後軸外軌側の横圧とQ/Pの変化の絶対量は僅かではあるものの、R400を頂点にした山になっている。
シミュレーションでは、このR400が様々な傾向の変化点になっているが、R400より小さい半径では前軸外軌側がフランジ接触しているが、R400より大きい半径では踏面接触していることによると考えられる。
2) 柔支持と剛支持の比較
柔支持と剛支持を比較すると、シミュレーションでは、外軌横圧の値は、急曲