日本財団 図書館


6.3 1軸台車理論の確認と最適設計法

 

6.3.1 蛇行動安定性の解析

 

(1) 台上試験結果の検討

蛇行動安定性に関しては、車体が大きく左右に振動する車体蛇行動と車体の振動は小さく台車/輪軸が大きく振動する台車蛇行動に大別される。この分類に従い今年度の台上試験の結果を調べると、概略次の3通りに分類できる。

(a) 200km/h迄蛇行動は安定である。

(b) 80〜100km/hで台上試験特有の車体蛇行動が発生。

(c) 150〜190km/hで台車/輪軸蛇行動が発生。

台上試験は、また、回転試験機の構造から疑似1両試験の方法を採用したが、結果的には半車体試験と変わらない結果となった。そこで、これらの結果を平成9年度に報告した一方向に牽引リンクを取り付けた車両の蛇行動安定解析結果と対比して検討を試みた。

平成9年度の蛇行動安定解析では牽引装置が車両の進行方向にあるType Bと逆方向にあるType Cについてそれぞれ図1示す蛇行動限界速度を求めた。

 

115-1.gif

 

図1 同一方向にリンクを取り付けた車両の蛇行動限界速度

 

車体蛇行動に関して、Type Bでは枕ばねの横ばね定数を大きくすると限界速度は40m/s(144km/h)となり、Type Cでは横ばね定数に関係なく車体蛇行動は安定となる結果を得た。台上試験では牽引装置が車端側の先頭台車と車体中央側の後尾台車の場合がType Bに対応すると考えると、試験では車体蛇行動が発生してないことは車体蛇行動の限界速度が理論解析の値より若干高くなったか、又は、車体蛇行動の不安定領域の存在しない比較的横ばね定数が小さい領域が広

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION