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6.2.8 試験結果のまとめ

 

(1) 直線走行に於ては、ヨーダンパを取り付けた状態で時速200km/hで安定に走行出来ることが明らかになった。

ヨーダンパを付けない状態では、170〜190km/hに台車蛇行動の限界速度があることが判り、実用的にはヨーダンパフェイル時も想定して、160km/h以下で使用すれば十分安全が保たれることが判った。

 

(2) 左右動ダンパも安定性向上に効果が認められ、ヨーダンパの役割を兼ね備えることも期待できる。

 

(3) 枕ばねの横剛性の柔・剛は、ヨーダンパ有りの場合は走行安定性に差は現れないが、ヨーダンパ無しの状態では、柔らかい横剛性の枕ばねは、剛な枕ばねよりも台車蛇行動に対して、安定性が若干低くなる傾向が見られる。

 

(4) けん引装置支点の剛性の有無は、走行安定性には影響を及ぼさない。

 

(5) 1本リンク式けん引装置が、走行方向によって安定性に影響を及ぼす方向性については、けん引装置が進行方向に対し台車の後側にある場合に、前側にある場合よりも安定性が若干劣る傾向が、ヨーダンパ無しの時に現れる。

ヨーダンパ付きの場合は、方向性は認められない。

 

(6) 曲線走行試験では、先頭台車で走行する場合に発生する外軌横圧の最大値は、半径120m曲線で2.6tfで、脱線係数の限度目安値0.8を満足することが示された。

後尾台車として走行する場合には、1.5tfを超えることはない。

 

(7) 剛構造と柔構造の台車では、半径400m以下の急曲線では柔構造の方が逆操舵の傾向が若干高目に現れる。

 

(8) 以上を総合して、本1軸台車は安全に実車走行に供し得ることが明らかになった。

 

 

 

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