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その結果バンザ村ではロア糸状虫および常在糸状虫陽性者23名、熱帯熱マラリア原虫および四日熱マラリア原虫陽性者8名に駆虫剤を投与し、ウワンゴ診療所では鉤虫症38名、蛔虫症15名、マンソン住血吸虫症10名、ビルハルツ住血吸虫症8名、マラリア35名に駆虫剤の投与を行った。またバンザ村では昨年の受診者の中ロア糸状虫および常在糸状虫陽性であった23名にジエチルカルバマジンを投与し、昨年受診した40名全員にマラリア治療のクロロキンを投与した。さらにバンザ村では84名に健康手帳を交付すると同時に指頭血で厚層および薄層塗抹の血液標本を作製した。持参した健康手帳が不足したために、その他の24名は血液塗抹標本のみを作製し、健康手帳は来年度に追加交付することとした。これらの108名には全員にコンバントリンを投与し、作製した厚層および薄層塗抹血液標本は乾燥させて日本に持ち帰り、現在ギムザ染色を行って検鏡を実施している。

 

1)検診対象

バンザ村では108名についてマラリアおよび糸状虫症検査のための血液塗抹標本を作製した。その中健康手帳既保有者を含めた84名には新しい健康手帳を交付し、残りの24名については健康手帳が不足をしたので来年度に手帳を交付することとした。またウワンゴ診療所では現地の技師が検査した成績に基づき、外来患者211名の中寄生虫症患者129名に対して駆虫在の投与を行った。その内訳は鉤虫症38名、蛔虫症15名、マンソン住血吸虫症10名、ビルハルツ住血吸虫症8名、マラリア35名で、重複感染者は2種類感染者が21名、3種類感染者が3名である。なお1998年3月実施の対象者は既に報告したごとく(バンザ村では40名、ウワンゴ診療所では796名の集団検査受診希望者についての検診を行い、その結果に基づいて駆虫剤の投与を行った。

 

2)健康手帳

中央アフリカ共和国には戸籍登録がなく、また同姓同名のものも多いことから受診記録の混同を避けるために考案したものである。この健康手帳には寄生虫学的検査成績を記入する欄の他に、病院や診療所を訪れた際にその診療記録について記入する欄を備え、ポラロイドによる各人の写真を貼付して通し番号を付し、各人に保管させている。この健康手帳は1983年度よりケラ・セルジャン村で使用を始め、バンザ村でも1991年より使用しており、大部分の者が健康手帳を大事に保管していたが、バンザ村では8年を経過していることもあってその損傷が多いことおよび初診者が増えたこともあり、今回更めて新しい手帳を交付した。

 

 

 

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