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3)検診方法

検診はバンザ村では1998年3月に血液検査、皮膚生検、検便を実施し、1999年3月には血液検査のみを実施し、ウワンゴ診療所では1998年3月に検便と尿検査を行い、1999年3月は現地の検査技師が外来患者の血液検査、検便、検尿を行った。なお1999年3月はバンザ村では血液検査のみを実施した。今回も晴天であったことから、バンザ村での検診の仕事は野外の木陰で行った。

 

a)血液検査

受診者の指頭血より採血した血液を使用して濃塗および薄層の血液塗抹標本を作製した。これらの標本は風乾後日本に持ち帰り、濃塗標本は蒸留水で溶血して薄層塗抹標本とともにメタノール固定後、ギムザ染色を行ってミクロフィラリア、マラリア原虫などの検索を実施した。

 

b)皮膚生検検査

1998年3月にバンザ村の33名の受診者について肩部から皮膚小片をとり、その小片をスライドグラス上に一滴の生理食塩水とともに浮遊させ、20〜30分後に遊出するオンコセルカのミクロフィラリアの有無を顕微鏡下で判定した。さらにこの標本を乾燥後日本に持ち帰り、メタノール固定後ギムザ染色を行った。

 

c)糞便検査

1998年3月にはバンザ村の40名とウワンゴ診療所受診者789名について調査団がセロファン厚層塗抹法による蠕虫卵検査を行い、また1999年3月にはウワンゴ診療所の外来患者180名について現地人検査技師が同じセロファン厚層塗抹法を行って蠕虫卵検索を行った。

 

d)尿検査

1998年3月には我々がウワンゴ診療所で集団検査の希望者252名について尿を提出させて約3,000rpm 15分間遠心沈澱してその沈潜を、また1999年3月には現地人検査技師が外来で血尿を認めた16名の尿について約2,500rpm 10分間遠心沈澱してその沈渣を鏡検してビルハルツ住血吸虫虫卵の有無に関する検査を行った。

 

4)治療方法

バンザ村では昨年度の検診結果で糸状虫のミクロフィラリアが陽性であった者に対してはジエチルカルバマジンを、マラリア原虫が陽性であった者にはクロロキンを投与し、今年度の受診者全員には抗蠕虫薬であるコンバントリンを投与した。ウワンゴ診療所では我々の調査期間が短期であることで外来患者として診療所を訪れ、検査室で行った検査結果に基づき鉤虫、蛔虫に対しては日本からの供与薬品として持参したコンバントリンを、住血吸虫に対してはプラジカンテルを、マラリア原虫陽性者にはクロロキンを投与した。なおバンザ村の診療所およびウワンゴ診療所にはコンバントリン、サイアベンダゾール、プラジカンテル、クロロキン、メトロニダゾールを供与して今後の患者には投薬を実施するように看護士に依頼した。

 

 

 

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