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2-3. FMシステムについての追記

 

(1)会議時の応用使用法

静かな場所での少人数の会議では、FMマイクを一番離れている話し手のそばにおき、補聴器は<B>2)にセットし、一番近い話し手の声も聞こえるようにします。中人数の場合は、FMマイクの外部入力端子に有線マイクを付け、集音ポイントを増やすと効果的です。

 

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(2)講演会・学会等での応用使用法

演者が一人の場合は演者のマイクにFMマイクをくくりつけます。演者が複数の場合は、会場のスピーカにFMマイクをくくりつけます。また、会場の音響担当者に頼んで、「ミキシングアウト」と呼ばれるスピーカに出る前の音を直接FMマイクの外部入力に接続させてもらうと良い音質で聞くことができます。

 

(3)周波数とFM電波の混信

FM補聴器は70MHz帯の電波を使用しています。一方、国産のFM送受信機は70MHzを使用している器種と300MHz帯を使用している器種があります。送信周波数が同じでも、ワイドバンド・ナローバンドのように送信に使用する周波数幅が異なるシステムが混在しているので、複数のメーカーによるシステムを同時利用する場合は注意が必要です。なお、国産の300MHz帯のFM送受信機はTOAと松下通信工業が市販しており、同じチャンネル・同じ周波数を用いていますので、これらは相互混在して使用できます。

 

1)その他、ポケット形補聴器の場合は、ポケットコイルが使用できます。またタイループ、シルエットインダクタを使う場合は、補聴器にTコイルが内蔵されていることが条件です。

2)<B>とはFMマイクからと補聴器内蔵マイクからの音双方が聞こえるスイッチ位置

 

3. 赤外線を利用したシステム

 

光には、目に見える光、つまり可視光線の他に、目に見えない光があります。この目に見えない光線の上つが赤外線です。テレビなどのリモコンは赤外線を応用した機器の代表格です。

赤外線は電波と違い、光ですから、光をさえぎる壁さえあれば混信の心配は全くありません。複数の部屋で同時に使用しても混信が起きないことは、赤外線システムの大きな長所です。赤外線システムは音質が極めて良く、さらに赤外線の届く範囲内であれば、どの場所でも一様な出力が得られることも、大きな長所です。一方、太陽光線の中に赤外線も含まれていますので、屋外では使用できない、使用する部屋には光をさえぎるレースのカーテンが必要など、使用場所に制約があります。

 

 

 

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