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図12 耳掛けFM補聴器の一例とFMブーツ/アダプタの一例

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5. 人工中耳

 

人工中耳は、補聴器と同型の体外ユニットのマイクロホンで音を受け取って電気信号に変えた後、感応コイルを通して、側頭部皮下に埋め込まれた体内コイルへ電磁誘導によって信号を伝え、あぶみ骨底に接着された圧電セラミック素子の振動子へと伝えます。この振動がアブミ骨を振動させ、内耳へと音を伝えます。人工中耳は、中耳の伝音系の障害を有する混合性難聴耳に適するとされています。現在の適応は、60dB程度までの混合性難聴耳に限定されています。補聴器との違いは、図13に示すとおりですが、補聴器と比べて音質が良いことと、騒音下での聞き取りが良いことがあげられます。その他、耳栓をしなくて良いことやハウリングがないことなどがあげられます。ただ、現在日本で行われている人工中耳は、半埋め込み形のものに限定されています。この他、電磁モータ方式の人工中耳も世界では開発されています。

 

図13 補聴器と人工中耳の基本構造

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