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なお、2002年7月1日から実施することを目標に、電子プロッティング機能(EPA:Electronic Plotting Aid)と自動追尾機能(ATA:Automatic Tracking Aid)に関する性能基準がIMOで審議されている。搭載要件と要求性能の概要は次のとおりである。

(1) EPA

(a) 搭載要件:総トン数 300トン以上 500トン未満

(b) 主要性能要件:手動捕捉、手動10目標プロット、ベクトル表示、データ表示

(2) ATA

(a) 搭載要件:総トン数 500トン以上3,000トン未満

(b) 主要性能要件:手動捕捉、自動10目標追尾、ベクトル表示、データ表示、危険船警報

因みに、自動衝突予防援助装置(ARPA)の搭載要件は、総トン数 3,000トン以上となることになっている。

 

3.3 自動衝突予防援助装置(ARPA)

レーダーは、3.2 で述べた電子プロッティング機能により、物標の検出と衝突予防にも使用されている。衝突予防は、他船などの物標の位置をプロッティングすることにより、その将来位置を予測し、危険かどうか判定している。これらの作業をコンピュータで自動処理するのが、ARPA(Automatic Radar Plotting Aid)である。

なお、国際的な性能基準はIMOのA823 決議で、国内的には船舶設備規程や無線設備規則で定められている。

ARPAの動作概要は次のとおりである。

(1) レーダーで得られた物標(他船)の位置データの信号はデータ処理器で処理され、自船からの方位と距離の信号としてコンピュータに転送される。

(2) 電気的に一定時間間隔で検出される物標の位置データを、先に検出された物標の位置データと比較し、同一物標であるか否かを判定し、同一であればその位置データの変化量を計算するため、同一物標ごとにデータをファイルする。

 

 

 

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