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4) 高粘性流体中での収縮・膨張運動による推力の数値解析に関する研究(英文)

金文燦(広大院)、茂里紘(広大)、土井康明(広大)、徐ネ(McClureAssociates,Inc.)

高粘性流体中で物体あるいは表面が収縮・膨張運動することにより生じる推力を数値計算により解析した。物体が任意運動する場合の非定常流れの計算法として、非構造移動格子を用いた有限体積法を用い、圧力の計算には擬似圧縮法を用いている。低粘度流体中では進行方向に伝播する正弦波形の変形により推力が発生するが、高粘性流体中では進行方向とは逆に伝播するトロコイド型の変形により推力が発生し、その成分は摩擦力があることを示した。

 

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Computed velocity vectors around the body in narrow channel with trochoidal motion.

 

5) 二重反転プロペラ船の馬力推定法

石田駿一(近畿大)、藤野良亮(IHI)

まず、二重反転プロペラを装備した模型船の推進試験に対する解析法を示す。特に、二重反転プロペラ固有の問題である、有効伴流率に占める前後プロペラによる相互干渉成分を実験的に決める方法を示す。次に、二重反転プロペラの前後プロペラそれぞれを一つの推進器と見なす立場から、模型試験結果の外挿によって二重反転プロペラ装備の実船の馬力を推定する方法を示す。さらに、2つの実船に対する馬力推定を行い、模型船と実船におけるプロペラ荷重度の違いが推定値などに及ぼす影響を考察する。

 

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6) 撥水性表面上に形成する空気膜を利用した流体摩擦抵抗の低減

(第1報 矩形管内流実験および平板抵抗実験)

徳永純一郎、延永尚志、中谷龍男、岩崎徹(三井)、福田和廣(三井昭島)、國武吉邦(三井)

水中に浸漬すると表面上に薄い空気膜を形成する機能を有する特殊な撥水性表面に、外部から少量の空気を供給することにより、摩擦抵抗を低減しようとする新しい手法を開発した。管内流試験と平板抵抗試験を実施し、大幅な摩擦抵抗低減効果を確認した。

 

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特殊撥水性表面の摩擦抵抗低減率

(2.14m平板実験)

 

7) 長尺模型船を用いた微小気泡吹き出しによる摩擦抵抗低減実験

渡邊修(IHI)、増子章(IHI)、白勢康(IHI)

長さ20mと40mの長尺細長模型船を船型試験水槽で曳航し、船底から微小気泡を吹き出して、摩擦抵抗低減に関する実験を行った。模型船の全抵抗と船底部の局所摩擦抵抗の計測を行うとともに、CCDカメラにより気泡の観察を行った。気泡吹き出しにより、全抵抗に対して最大14%、吹出し口下流の摩擦抵抗に対して最大60%の抵抗低減が認められた。また局所摩擦抵抗の低減効果は吹出し口から約40m下流まで持続することを確認した。

 

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局所摩擦抵抗の低減効果の持続性

 

 

 

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