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8) 甲板支持型海洋構造物に作用する風揚力の評価

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セミサブやジャケットのような下部構造に支持された甲板構造をもつ甲板支持型海洋構造物は甲板構造の上下面の非対称性のために、風揚力が生じる。本研究では甲板支持型海洋構造物の部分模型を用いた風水洞実験を行い、進行波中で実験模型に作用する平均揚力係数、変動揚力係数を計測した。その結果、平均、変動揚力は甲板前縁で非常に大きな値をとり大波高下では変動揚力は平均揚力と同程度になる可能性があることがわかった。また揚力係数の推定法を提案し、本実験結果と比較して有効であることを示した。

 

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9) 船体に働く風圧力の推定

藤原敏文、上野道雄、二村正(船研)

精度の良い風圧力の推定を目的とし、様々な船舶の実験データを利用して重回帰分析により風圧力推定式の提案を行った。推定式を求める上で、風速力分布が実験結果に及ぼす影響についての補正を行い、逐次法を用いて説明変数の選択を行った。また、風による傾斜モーメントを推定する手段が無いことから、傾斜モーメント係数の推定法の提案も行った。本推定法の精度を検証するために従来の推定法との比較検討を行い、本推定法がより精度良く推定できることを確認した。

 

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回頭モーメント係数の推定結果(VLCCの場合)

 

10) ニューラルネットワークを利用した船型初期計画(第1報)

―中高速船の造波抵抗推定ツールの構築―

松村竹実(東大院)、浦環(東大生研)

本研究では、2種類のニューラルネットワークを用いて、船型パラメータから陽に造波抵抗係数を推定するシステムを構築する。推定ネットは多数の水槽試験データを学習し、抵抗係数を推定出力する。随伴ネットは推定ネットの出力に対する信頼性を0〜1の指標で判定する。構築したシステムは比較的少数の試験データの学習からも、ニューラルネットワークの汎化作用により、未学習船型に対しても実用的な推定が行える。

 

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Constitution of Neural Networks in Proposed System

 

11) 斜航ヨットモデル波浪中抵抗増加の改良計測法(英文)

平山次清(横浜国大)、M.カンポス(横浜国大院)

先に開発した、帆走状態のレーシングヨットモデルの波浪中抵抗増加計測法を更に改良した。これは想定した風力の作用点を曳航することで斜航状態のまま直接計測する方法であり従来法による理論計算との比較も試みた。なお斜航釣り合い姿勢を実現するため舵を遠隔自動制御している。

 

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Added wave resistance coefficient-Heeled and upright condition.

 

 

 

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