1]空気取り入れ口が限定されている装置では、空気の供給される側での燃焼が加速され、試験結果に影響する。
2]ドラフトのようなオープンスペースでの試験では、 の影響の他に風量の微調整の困難さ、及び燃焼時のガス・燃焼物の噴出危険等が想定される。
3]排気系統に、並列して他の装置が接続されていると、燃焼時の急激なガス・燃焼物の噴出により逆流が起こり、毒物拡散・他の環境への燃焼生成物の汚染・火炎及び腐食の危険等の発生が想定される。
4]温度・湿度等試験に影響する環境条件のコントロールの必要性の検討。
5]排水・排ガスの処理方法の検討。
(2) 試験実施に際しての器具道具類及び装置使用上の問題点
1]現時点で国連規格を満足する着火ワイヤーが入手できない。
2]着火ワイヤーの能力を出力値でコントロールすると、電気系統の劣化により出力低下を起こし徐々にパワーが低下してゆく問題があり、何らかの対策が必要。
2.2 基準物質として使用される臭素酸カリウム、及び従来試験指定の木粉の代わりに使 用されるファイバーセルロースについて、メーカーによる違い・仕様等を国連規格と比較検討し試験に適したものを選択するための調査を行う。又、水分値と試験結果の相関等も調査し、新試験方法の円滑な実施要領を作成する。
(1) ファイバーセルロースに関する調査研究事項
1]試験燃焼時間は使用セルロースの種類により大きく影響されるので、各種セルロースについて、メーカー規格を調査、選択すると共に実際の物理性状を測定、評価する。
また、試験結果に影響大と思われる充填密度について、かさ密度を測定することによりその性質を代表させ、検討を行う。
2]試験環境条件について、国連勧告試験方法では温度(20±5℃)の規定はあるが、湿度の規定はない。
また、乾燥セルロース及び試験物質が吸湿するであろう環境暴露時間の規定もなく、試験実施時に水分値0.5%以下が保持されていれば良いとの手順となっている。日本の平均湿度約60%を考慮すると何らかの手順の工夫が必要となる。
以上の理由からセルロースの吸湿による含有水分変動を調査すると共に試験時間に与える影響を調査する。
(2) 基準物質である臭素酸カリウムに関する調査研究事項。
1]臭素酸カリウムのメーカー別粒度分布を調査し、粒度が試験時間に与える影響を調査する。
2]臭素酸カリウムとセルロースの各種混合比の測定データの評価を行う。
2.3 実証試験のために国連勧告に一例として提示されている各種物質の測定を行いデータの 蓄積をはかると共に評価を行い、問題あれば改善策を検討する。