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3.1 「固体酸化性物質-酸化性試験方法の確立」調査研究報告

 

第1章 緒 言

 

1.1 調査研究の目的

 

国連勧告(ST/SG/AC.10/11/Rev.2)に規定される固体酸化性物質-酸化性試験方法は固体物質が「酸化性固体」に該当するか否かを判断し、その容器等級を判定することを目的とする。最近の国連勧告の改正により試験方法が従来とは異なった方法に変更になったため早急に新試験方法による装置・システムの開発及び具体的試験方法の検討が必要となり、標記調査研究を実施し新試験方法を確立することとなった。

当初課題として以下の内容が提言された。

(1) 新試験方法による装置・システムを試作・試行し問題点を抽出する。

(2) 従来の試験方法では、物質と木粉の混合物で試験を行っていたが、新試験方法では、基準試験物質として臭素酸カリウム、木粉の代わりにセルロースファイバーを使用し標準円錐を形作ることに変更されている。この点について試験に使用する物品の材質・性能を比較検討し、又、装置・器具の改良を計り新試験方法の円滑な実施要領を作成する。

(3) 実証試験のために国連勧告に提示されている各種物質の測定を行い、データの蓄積をはかる。

 

1.2 酸化性固体試験方法概要

 

本試験は、国連勧告クラス5区分5.1(SECTION 34 CLASSIFICATION PROCEDURES, TEST METHODS AND CRITERIA RELATING TO OXIDIZING SUBSTANCES OF DIVISION 5.1-Test 0.1: Test for oxidizing solids)に該当する試験であり、試験物質と可燃性物質(ファイバーセルロース)を充分に混合した場合、その試験物質の性質により燃焼の速度又は燃焼の強さを増加させる力があるかどうかを測定し、基準物質である臭素酸カリウムの測定値との比較から「酸化性物質」に該当するか否かを判断し、該当する場合は、その容器等級を判定する事を目的とする。

試験は、試験物質と乾燥ファイバーセルロースの質量混合比1対1と4対1のものを円錐カップで成形したものに、着火ワイヤーで点火することにより行う。当該混合物の燃焼特性を臭素酸カリウムとセルロースの質量混合比3対7のものと比較する。燃焼時間がこの基準物質の燃焼時間以下の場合は当該物質を酸化性物質とし、更に、容器等級1〜3を判定するために臭素酸カリウムとファイバーセルロースの質量混合比それぞれ3対2及び2対3のものと比較する。

 

第2章 調査研究の課題

 

2.1 新試験方法による装置・システムを試作・試行し問題点を抽出する

 

(1) 燃焼装置の設計開発・作成及び設置上の問題点

調査研究を開始するにあたり、実際に試験を実施している数カ所の試験室を訪問し調査を行った。また、試験機器作成専門メーカーとも面談し、どのような機器が使用されているか調査を行った。その結果判明した問題点を下記する。

 

 

 

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