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域の県は人口の社会減少が持続し、大都市とその周辺の県に吸収され、その社会増加を助長した。例えば、台北市と近郊の台北県及び桃園県は1970年から1990年にかけて、五年期の社会増加率は5%近く、特に1976-80年期の台北県の社会増加は23.6%と、人口吸収の魅力を発揮した。その反面、西部平原の農業県、特に彰化県、雲林県、嘉義県、苗栗県等の五年期の社会増加は、大部分がマイナス5%を超えていた。1990年に入ってからは、この傾向がある程度緩和されて、膨湖県を除いて、社会増加(減少)率がマイナス5%以下に下った。しかし、台北と高雄市の社会増加率がプラスからマイナスに変ったことと、台中市及び台中県付近の社会増加率が上昇したことが、注目される。

 

表2. 台湾の県市別五年期人口社会増加率の推移

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2. 都市の形成

 

この人口移動の結果、多くの都市が形成された。表3に示す様に、1970年には13の市しかなく、その人口が全人口に占める割合は34.7%で、約三分の一の人口が都市に居住していた。ところが、1980年には22市、総

 

 

 

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