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台湾主要都市の人口高齢化―現状と将来

 

孫 得雄(台湾大学教授、元人口学会会長)

 

1. 台湾の都市化

 

1. 産業構造の変化と人口移動

 

戦前、農業が台湾の主な産業で、60%以上の有業者が農業に従事していた。しかし、戦後は近代化の波に乗って、手工業、製造業、商業、貿易、サービス業が発達して来た。表1に示す様に、第一次産業の割合が1952年の56.1%から1980年に19.5%、そして1995年に10.6%まで落ちた。それに取って代った第二次産業と第三次産業はそれぞれ16.9%から38.7%と27.0%から50.7%に上昇した。

 

表1. 台湾就業者産業構造の推移

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この産業構造の変化は、人口の農村から都市への移動によって促進された。台湾の農業は、気候等の条件に恵まれ、一年三作と生産量は豊かであったが、人口密度が高く、都市に比べると生産性が劣り、生活は苦しかった。そのため、都市の高生産性に引かれて、農村から都市への移住が急速に進行し、都市人口が膨張した。表2に見られる様に、農業地

 

 

 

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