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 ワクワクするというようなことは,ある意味で子供っぽいことであったり,大人の生活からはみ出すようなことです。大人になったらしてはならないことかもしれません。危険なことかもしれません。そういうことが「おまえはしたいんじゃないの? 牧師になって諦めているのじゃないの?」と問いかけられているようにも感じました。これは危険な問いかけかもしれませんが,死んでいく人の遺言として私に深い揺さぶりをかけているものでもありました。ワクワクすることって何だろうと改めて自分の中を検証してみたいと思いました。自分はもうそういうことを忘れてしまっているのだろうか。諦めているのだろうか。それとも自分の役割にかこつけて,そういうことと対面するのを避けているのではないだろうか。そういうことがもしあるとしたら,私と付き合っている人はつまらないと思っているのではないか。そんなことを思ったりしました。
 これらが私が見送った方々の遺言と思える言葉なのです。

組織の外にいるという自由さ

 私は,学生のときにはボランティアが嫌いでした。なぜかといいますと,ボランティアは何か“やっている”という顔をしているのにそこに住み込まないじゃないか。そこに住んで一緒に生活するのではなく,ボランティアは出かけて行って帰って来るという限界性をもっていると思います。しかし,その限界性といったものをどのようにプラスに自分のものにして意識していくかということが,実はたいへんだいせつな課題ではないかと最近では思っています。

 

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