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1979年にはマクミラン財団が設立され,それ以後ほとんど英国の緩和ケアはこの財団を通じて行われるようになりました。マクミラン財団がやっているのは初めの3年間看護婦もしくは医師のコストを支援し,3年経過したら,政府の保険当局がそれ以降の資金的な負担を引き継いでいくという形をとっています。しかし,それ以降もこのチームはマクミランチームという名前で活動を続けていきます。というのも,あとでケアを受けた家族の人たちがこの財団に寄付をすることができるからです。
 1980年には,英国の在宅ケアチームはわずか32しかありませんでしたが,いまでは400を超えるチームが活動しています。英国では年間16万人ががんで亡くなっていますが(日本は27万1,183人<1996年>),そのうち10万人は緩和ケアのチームによってケアを受けています。

在宅ケアの3タイプ

 英国では在宅ケアには3つのモデルがあります。
 まずモデル1ですが,参加型で,セント・クリストファーズ・ホスピスで行っているのはこの参加型のものです。地域の看護婦や医師とパートナーを組んでケアに当たるというもので,共にケアをシェアして活動を行うというものです。ナース1人当たり平均15名の患者を担当します。
 参加型の場合には24時間体制が普通で,昼間であろうが夜間であろうが,いつでも電話をかければナースの訪問を受けることができる体制になっています。そして通常の場合には複数の看護婦医師,ソーシャルワーカーがこの参加型ではチームとなって動いていきます。
 モデルの2はアドバイスサービスというものです。これはどちらかというと教育的な側面が強いモデルです。こちらのほうは扱う症例数が多くなって,50〜60件扱うようになります。

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