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ヶ所)および気象庁による沿岸波浪観測(全国11ヶ所)が行われているが、このうちナウファスでは2時間毎に詳細な波形データが得られ順次蓄積されている。

現在問題となっている長周期波は十数秒から数分の周期帯の波浪成分であり、波形データに適切な数値フィルターをかけることによってこの周期帯のみを含んだ波形データを取り出すことができる。

ここでは全国のナウファス地点51ヶ所のうち代表的な地点20ヶ所程度について、最近1年間のデータから長周期波成分を抽出し、その波浪エネルギーの大きさと卓越周期について計算する。この際どのような数値フィルターが適切か、さらに長周期波のエネルギーや卓越周期の適切な求め方についても検討を行う。

得られた長周期波浪の状況について、波浪エネルギーや周期等について統計処理を行い、地域的な出現分布特性、季節的な変化特性を把握する。さらに特徴的な傾向が見られた場合には、気象、海洋面での影響要因として何が考えられるかの考察も行う。

 

4)船体動揺に影響を及ぼす長周期波成分の把握

 

2)の全国の船体動揺の実態調査の成果と3)の長周期波の出現状況の解析結果より、船体動揺に影響を及ぼす長周期波成分がどのような周期帯に属するかを、地域的、季節的な特性を考慮しながら把握する。

 

5)長周期波の観測・解析方法、情報提供のあり方の検討

 

1)から4)の検討成果を踏まえて、長周期波の観測を行うための計測機器はどのようなものが適切か、得られた計測データから長周期波の状況を表すパラメーターを算出するための適切な解析方法は何かを検討する。

さらに従来全く行われていない長周期波に関する情報を港湾管理者等に提供する際の、適切な提供内容・方法のあり方について検討を行う。

 

 

 

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