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5.2.2 欠測域の時間的補間アルゴリズム

昨年度、雲域補間のプログラムはすでに存在しており、今年度は過去の情報を用いて補間する時間的補間法の構築を行なった。

画像を実用的に利用する場合、1枚の衛星画像に注目するのではなく時間的に近い位置で取得された複数枚の画像を考えると、海洋表面の温度変化は雲の移動よりも明らかに遅いことが分かる。つまりある時期について複数枚の画像の同じ場所を比較すると、雲の写っている画像とそうでない画像が出てくる可能性がある。ここで雲の写っていない部分のデータを使い補間処理を行なうことにより理想に近い値で補間された画像を作成することができる。画像の作成は複数枚の各画像間の演算法として単純なスプライン関数を用い欠損域時間的補間を行なった。すなわち補間する画像に対して過去の時間の画像データを用いてスプライン関数の局所的な性質によって、複雑な水温変化も関数表現できると考えた。つまり滑らかな関数であるスプライン関数によって、補間は曲線的な時間的補間を行なった。

そして、スプライン関数では補間しきれなかった域に対して、直線的な時間的補間法を用いた。それは曲線的な時間的補間(スプライン関数)に使用した画像よりも過去の画像を素材画像とし、過去の画像データから補間する欠測域画像のデータの変化の率により、補間する欠測場に対して過去の画像データから推測を行なうという手法である。

 

 

 

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