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5.2 広範囲海表面水温分布表示プログラム開発

 

5.2.1 はじめに

我々の住む地球の70%は海洋であり、その空間スケールの大きさゆえに、観測することが困難であるといわれてきた。地球上の様々な現象、そして我々の生活環境を把握する上で海洋を知ることは重要である。そこで海洋を調査する方法として一般的に用いられるのが、船舶による観測である。船舶による観測は、直接データを獲得できるという利点があるが、観測対象である海洋が広大かつ状況が刻一刻と変化してしまう場合、現象を把握するのは困難である。

そこで近年、船舶などの直接的な観測ではなく、間接的な観測であるリモートセンシングが試されるようになった。リモートセンシング技術を応用するきっかけは、NOAA衛星シリーズ(気象衛星)やERTS衛星シリーズ(地球資源探査衛星)の成功によるものである。人工衛星によるリモートセンシングは観測対象を広範囲に渡って観測することが可能であり、しかも観測の同時性と反復性、観測データの即効性より、人工衛星による観測は非常に有効な手段として注目されるようになった。実際には赤外線域、可視域といった光学センサーを用いて、地球規模の重要なデータが得られている。世界各国から様々な人工衛星が打ち上がっており。その中でもアメリカのNOAA(米国大気庁 National Ocean and Atomspheric Administraition)によって管理、運営されている気象衛星NOAAによって観測される衛星画像は広く情報を公開し、世界中で利用されている。

実際利用されている例として、(社)漁業情報サービスセンターにおいて、NOAA/AVHRR画像の海況図作成への利用を上げる事ができる。(社)漁業情報サービスセンターでは、漁海況速報を発行しており漁業関係者等に広く利用されている。しかし、ここでの等温線は船舶観測によって作成された物であり、時空間的にデータが得られない海域がある。そのために、本研究ではNOAA/AVHRRデー

 

 

 

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