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そこで、このEOF解析に基づいて鉛直水温分布推測のアルゴリズムを開発した。すなわち、この場合の時空間変動のG(x, y, t)や、その空間分布であるFi(x, y)、時間的な分布であるAi(t)に代わって、標準深度での水温鉛直プロファイルの変動の関数を(z, t)としたときに標準深度での水温分布をΦi(z, t)、ここの水温鉛直プロファイル資料の変動を構成する割合を振り幅としてAi(t)に置き換えることで水温鉛直プロファイルの変動(θ'(z, t))が、その水温の変動の関数と振幅(Fi(zt)Ai(t))の重ね合わせで近似することが可能であると考えられる。よってこれを式にすると式(5.1.1)より以下のように表すことができる。

008-1.gif

実際の水温プロファイルで解析を行うためには、ある基準となるプロファイル(平均プロファイル)をあらかじめ実際の水温プロファイルから差し引いて水温プロファイルの変動をEOF解析を行なわなければならない。以下のことに基付いた水温鉛直プロファイルθ'(zt)と、各深度での水温である水温プロファイルθ(zt)の関係式は、

008-2.gif

となる。ここで、

008-3.gif

である。このようにして算出された(Ai)と同じプロファイルを用いて求めた水温アノマリー(?T)の関係をすべてのプロファイルについてn次曲線を用いて回帰すると

Ai=b01+b1i+b2i+b3i+……+bniTn  …(5.1.7)

T : 水温アノマリー

Ai : 振幅

b0i, b1i, b2i, …bni : 相関係数

となり、式(1.6)と式(1.7)によりθ(zt)が求まる。 

 

 

 

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