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5.1.2 EOF解析に基づく鉛直水温分布推測アルゴリズム

EOF(Empirical Othogoral Funcion)解析は経験的直交関数と呼ばれているが、主成分解析や因子分析とも言う。これはある時空変動を互いに無相関な空間変動(経験的直交関数)と時間変動(振幅関数)の2成分に分散し、変動の物理的意味を理解しようと言うものである。ある空間現象が空間の関数(x, y)と時間(t)の関数で構成されるとしたとき、これをG(x, y, t)と表す。

ただし、G(x, y, t)は時間的平均から偏差とする。[ΣtG(x, y, t)=0]G(x, y, t)について、(m)箇所の観測点においてそれぞれ(n)回の観測がなされたとき、一般にG(x, y, t)は、互いに直交する(m)個の経験的直交関数Fi(x, y)と振幅関数Ai(t)との積の和に分解できる(Lorenz 1956)。

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かつ

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上記のように分解されたA(i)の分解の和は、G(x, y, t)の分散に等しくなる性質をもっいるのでAi(t)が大きな変動(主成分)を含んでいる順に第m関数(モード)とする。このうち、大きい方からいくつかの関数(モード)を取って、これらの変動G(x, y, t)の全分散のある程度の割合を示すようになり、時空間変動G(x, y, t)が、少数の互いに統計的に独立した時空間変動(F(x, y)Ai(t))の組合わせで、近似的に表される。このような関係を求める解析方法がEOF解析である。

 

 

 

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