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5.1.3 EOF解析に基づく鉛直水温分布推測プログラム

本プログラムの試験実験では、1940年度から1993年度までの54年間に得られた船舶観測の水温データ(海上保安庁水路部提供 : CD-ROMデータ(2,108,476観測点))から緯、経度1°×1°で設定した四国沖の海域で、図5.1.1に示すように、30°00'N〜33°00'N、133°00'E〜136°00'Eの範囲内で、深度が200mまである水温測定値(0m、100m、200mの3つの深度がすべて存在するもの)を用いた。

これらの観測の行われた日本近海海域では、季節毎の海況変化が著しく、詳細な海況の変化を観測するためには、観測資料を一定期間ごとに分類して解析を行う方法が望まれる。そこで設定する期間が問題となるが、各季節毎に分類して行う方法が良いと考えたため、ここでは月ごとに分類して解析を行なった。このデータの数を図5.1.2に示した。

前節で示したアルゴリズムに基づき、図5.1.3に示すフローチャートを作成し、プログラムを開発した。(添付資料1)さらに、試行実験を行なった。まず設定した領域について、月ごと、各深度ごとに平均水温を求めそれぞれの偏差を求め、この各偏差を用いてEFO解析を行なった。それによって得られた各モードの振幅と各層の水温偏差との関係を図に示し相関を求めた。

またこの方法の有効性を確認するために、無作為に選んだ各月ごとの水温データを実測値とし、この表面水温から下層(100m、200m)の水温分布をEOF解析の結果を用いて推定を行った、その際もちいた実測値の資料はまったくの無作為に選出したものである。

 

 

 

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