(2)計画上留意すべき事項
(a)建造する船の契約上の条件、特殊性を考慮する。
(b)自社の規模、生産能力を加味し、稼働率を適正化する。
(c)建造時における操業状態すなわち他の船の受注量、納期などを調べ重複しないよう考慮する。
(d)電装工事は他部との関連が深いので船殻、船体艤装、機関艤装の日程を確認して、それらの工事順序及び進捗度に適合した工事計画を作成する必要がある。
(e)工事用図面の出図時期及び購入品の入手時期を調査する。
(f)材料計画が適切に実施され購入計画に反映させる。
(g)社内標準と比較して特殊相違点を考慮する。
(h)労務関係すなわち季節的(夏、冬)及び時期的(年末、年始、台風など)による出勤率と能率低下を考慮する。
(i)試験検査の工程管理は動作調整、不良対策、損傷情報などを加味し、その対策を考慮しておく。
(j)重要工程はチェックリストを作成してその確認を行う。
(3)管理の方法
(a)前項の留意事項を検討の上、標準時間を参考として装置別の大日程表(1隻分の全日程を示したもの、5.3.2項工程表、参照)を作成する。
(b)大日程表をもとにして区画別、又は職種別の中日程表(各装置別又は作業別に或る期間を区切って示したもの)を作成する。
(c)搭載予定表を作成する。
5.5 時数管理(工数管理)
(1)目的
工事の工数計画を立て、この計画を遂行することによって計画された利益を確保することにある。
(2)計画上留意すべき事項
時数計画は工程計画と関連があるので計画上留意すべき事項も前項5.4(2)と同様である。なお外注部分がある場合はこれに対する工数計画も加味する必要がある。
(3)管理の考え方
(a)工数の計画時間算定には通常次の経験式を用いる。
h=L×η
ただし
h:計画時間(単位は時間)
η:能率(ケーブル布設の1m当たりの所要時間)
L:使用ケーブルの合計長(単位はm)