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インドは8.5億(1991年)を越える人口を抱えており世界第2位であり、世界の全人口の16%を占める。平均寿命は約61才(1991年)である。

人口増加率は政府の家族計画推進の甲斐もなく依然高水準(1.9%:1989)で推移している。また、経済規模が人口規模に比較して小さいため、経済活動に参加できない多くの貧困層が発生している。

これは単純に弱小な経済活動に起因するものではなく、インドに内在する宗教、民族、カースト制度、などの多くに問題にも関連している。

インドは他民族国家であり、15種の国語があり、共通語として英語を使用している。

インド人は一般に閉鎖的で、他国のことは余り知らないが、プライドだけは高い。

 

(4)政治経済

現在インドの政権は不安定で、1997年12月、前政権は解散し、総選挙は1998年3月に実施予定である。これまでも少数分立政党で人民党、国民会議派等の有力政党が過半数を確保できないため、安定政権が確立出来ず、経済政策、インフラ整備がどんどん遅れている。

インドは27州と7連邦直轄領からなる連邦国家である。各州の政治的権限は強く、各州政府に首相と議会があり強力な地方自治が実施されている。

インドは独立以来ソ連寄りの全体主義的政策を採り、外国との技術的、商業的、資本的交流を拒み、完全自給自足経済を目指した独自の経済発展を押し進めてきた。

しかし、西側諸国、アジア諸国の急速な経済発展に対し、社会主義諸国の衰退は著しくソ連の崩壊を契機にインドはようやく開放経済に移行し、先進技術や外国資本の導入を図ることにより、停滞した経済を活性化する政策に転換しつつあるが、旧体制の改革が遅れその歩みは遅い。

 

 

 

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