3. 港湾関連事業の動向
インドの運輸行政は、航空部門を除きすべて運輸省(MINISTRY OF SUSRFACE TRANSPORT)が統括している。
運輸省の現在の組織図を表-1に示す。これまで社会主義国の通例ですべての事業が国家管理されてきており、インフラ整備から管理運営まで主要事業が遂行されてきた。
ただ、多民族連邦国家であるため、州政府の意向が強く中央政府の政策が伝わりにくい状況にあるようである。近時自由経済の導入でこれまでの規制が徐々に緩和され港湾分野においても民営化を進める動きが出ている。
(1)主要港湾
インド共和国は、インド洋に突出した巨大な半島で、東側はベンガル湾西側はアラビヤ海に面し、古くから海運業が盛んで物資の輸出入をする港もカルカッタ、マドラス、ボンベイ等これを基盤に発展したところも多い。
現在も多数の港湾が存在するが、重要港湾は11港に集約され内外の貨物を取り扱っている。これらの港湾はポートトラスト(PORT TRUST)と呼ばれる国直轄管理機構の下で運営管理され、これ以外の小港湾、民営港湾は州政府により管理されている。
重要港湾11港は、東側にカルカッタ(ハルディアを含む)、パラティップ、ビサカバトナム、マドラス、ツチコリン、西側にコチン、ニューマンガロール、モームガオ、ジャワハラルネルー、ボンベイ、カンドラである。