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本章では、地球温暖化の原因と歴史的経過、運輸部門としての総合的な地球温暖化対策・CO2削減策について見てみましょう。

 

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世界の二酸化炭素排出量割合(国別)/1994年
出典:オークリッジ国立研究所 平成9年環境白書
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我が国の二酸化炭素排出量割合(部門別)/1995年度
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Q●地球温暖化を防ぐにはどうしたらいいのでしょう?

A●「温室効果ガス」、とくにCO2排出量を減らすことです。工場、家庭の暖房、自動車などの交通機関など、さまざまなところでC02が排出されていますが、これを極力抑えていく必要があります。たとえば運輸部門を見ると、1990年から95年度にかけ、自動車の増加、大型化、RV車の普及などによりエネルギー消費量が大幅に増えています。ちなみに、1995年度の日本のC02排出量は全体で3億3200万トン(炭素換算)、うち運輸部門は約20%です。運輸部門でも、エネルギー消費里を最大限抑え、C02排出量を減らす努力が求められています。

 

世界の二酸化炭素濃度の変化
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出典:平成9年度「今日の気象業務」/気象庁発行

 

Q●今後の展望としては?

A●気候変動枠組条約では、当面の目標として先進締約国がC02などの温室効果ガスを2000年までに1990年レベルに戻すことが掲げられています。ところが、日本のC02排出量は現在も増加傾向にあり、この目標を達成するのは非常に困難な状況です。
しかし、今年12月には京都で気候変動枠組条約第3回締約国会議(地球温暖化防止京都会議)が開催され、2000年以降の新たなC02等の排出削減目標と政策・措置について定める議定書を採択する予定です。
日本国民全体が、地球温暖化問題について真剣に考え、行動するべきときが来ています。そのために、運輸部門で具体的にどのような方策が考えられるか、次章から一緒に見ていきましょう。

 

※IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change (気候変動に関する政府間パネル)。
地球温暖化の科学的、技術的な評価を行うため、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)が共催して設立しました。

 

※気候変動枠組条約:(FCCC:Framework Convention on Climate Change)。
「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果気体の濃度を安定化させる」ことを目的として、国連で採択され、1994年3月発効した条約です。

 

 

 

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