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かけがえのない地球を、「温暖化」から守るために

 

Q●地球温暖化とはどういう現象でしょう?

A●地球の温度は、太陽からの日射エネルギーと、地球から宇宙へ出ていく熱のバランスで決まっています。大気中の「温室効果ガス」は、太陽からの放射はよく透過させますが、地球表面から放射される熱の何割かを吸収し、さらに地球表面に向かって再放出します。その結果、地球表面付近の大気の平均気温が上昇します。この作用を「温室効果」といいます。人間活動の活発化に伴って、人為的な要因により温室効果ガスの大気中の濃度が増加し、温室効果が強化され、地球の気温が上昇するのではないかと懸念されています。これを「地球温暖化」と呼んでいます。

 

Q●「温室効果ガス」にはどのようなものがあるのですか?

A●水蒸気、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、オゾンなどがあります。そのうち最も「温室効果」の大きいものは水蒸気ですが、水蒸気の量は地球の自然の中で決まり、人間活動による排出と吸収の影響は受けません。
人間活動によって排出された温室効果ガスの中で、温室効果への寄与の最も大きな気体は二酸化炭素で、現在、世界的にその大気中の濃度増加が問題となっています。

 

温室効果の概念図
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Q●温室効果ガスはいつ傾から増え始めたのでしょうか?

A●18世紀に起こった産業革命以後、石炭や石油をどんどん使い始めてから、「人為的に排出される温室効果ガス」が急激に増え始めました。この時期が、現在のような温暖化の出発点と考えてよいでしょう。

 

Q●温暖化によって、人間の生活にどんな影響が及ぶのでしょうか?

A●一番直接的な問題は、気温の上昇に伴い、海面が上昇(その分、陸地が沈没)することです。IPCCが1995年に発表した第2次報告書では、今の状態が今後も続くとすると、21世紀末に地球全体の温度が約2℃上昇し、海面が約50cmも上昇すると予測されます。低地に住む人びとの土地と資産に重大な影響が出るわけです。
そのほか、豪雨や渇水の回数が増え、災害の多発が予測されます。特定の生物の種の絶滅あるいは増殖など、生態系に異常をもたらします。熱帯・亜熱帯地域を中心に農作物の生育に異常が発生し、世界の食糧事情に重大な影響を与えます。漁業にも同様の影響が出ます。また、熱帯でしか見られなかったタイプの病原菌が地球全体に蔓延する恐れもあります。

 

 

 

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