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に合せ面にフレッティングが発生したり,ボルトがゆるんだりして,いろいろの締付上の不都合が発生するので,適正締付けはこの残存締付力をボルト応力が詐容する限り充分大きく取ることが必要である。ボルトの締付け不適当によって起こる事故の場合,ボルトの過剰締付けによって起こる事故は極めてまれで,その殆どは締付け不足によって起こる事を認識しておくことが肝要である。

1.2 締付けトルクと締付力(軸力)の関係

締付けトルクと軸力との関係は下式によって与えられる。

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ここで注意すべきことは締付けトルクと締付力(軸力)の関係はねじ部および座面の摩擦係数によって大きく左右されるということである。これらの摩擦係数はねじ,および座面の表面状態すなわち表面粗さ,直角度,平面度および摩擦面の状態,例えばメッキ,表面処理など,また締結時に表面に塗布される薬剤,すなわち防錆剤,減摩剤,焼付防止剤,潤滑油などによって変化する。したがってボルトの締付け精度を上げるためにはこれら摩擦係数のばらつきの影響を如何に克服するかにかかってくる。

1.3 ボルトの締付け法

現在船舶用機関の主要ボルトの締付け法として一般に広く行われている方法として

1)伸び計測法(ストレッチ法)

2) トルク法

3)回転角度法

が上げられる。

1)伸び計測法(ストレッチ法)

この方法は基本的に軸力を伸びにおきかえて計測しているために前項で述べたねじ部および座面の摩擦係数に全く関係なく締付力を与えられる点で締付け精度は最も期待できる。この方法の難点は作業能率の点で問題があり,大量生産などの場合不適当である

 

 

 

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