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基調講演

 

講師   長谷川 慶太郎

 

経済評論家。昭和28年阪大冶金学科卒業後、政治家、秘書、産業新聞社、投資信託事情調査会を経てフリージャーナリストとなる。昭和56年「世界が日本を見倣う日」で文芸春秋読者賞を受賞、同57年同作品で石橋湛山賞を受賞した。主な著書に「日本はこう変わる」「強い個性の経済学」「日米時代をホンネで読む」などがある。

 

21世紀にとって我々人類に課せられた大きな課題の1つが、地球環境の保全であります。この問題は、20世紀を通じて人類社会が驚くべき発展、成長を遂げたのと密接にかかわっております。20世紀という時代は、19世紀に始まった産業革命に引き続き、世界全体の経済が大きく成長、発展を遂げた時代と申し上げてよいでしょう。

産業革命で人類は、それまでに存在していた水力、風力、さらに動物の力、人間の筋肉の力を超えた、いわば人工の力を経済活動に、社会生活に応用することを発見いたしました。それが20世紀に入って一段と大きく成長し、その結果、大量の化石燃料を使って経済活動を営み、かつ社会生活を維持していくという新しい時代に入りました。それがどんどん地球環境を汚染し、かつ温暖化をもたらす要因になりました。

こうした過程で21世紀を迎えた人類としまして、これからどういう路線をとるべきなのか、また同時に地球環境の保全とは一体決め手になる問題が何なのか、これが今日皆様方にお話を申し上げる私のテーマでございます。また同時に、この中で日本がどういう役割を果たすべきなのか、また果たせるのか、これまた世界の大国の1つに成長した日本の国民の1人としてぜひとも解明しておかなければならない重要なポイントの1つと私は認識しております。

先ほど申し上げましたとおり、20世紀が大量の化石燃料の消費を経済活動の、同時に

 

 

 

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