日本財団 図書館


?熊本市交通局自動車課

課長 高野 博

 

(司会)熊本市では8月から超低床式路面電車が導入され話題となっていますが、このたびノンステップバスも導入され、電車・バス両面でのバリアフリーが図られております。

(高野)熊本市交通局の高野でございます。熊本市交通局は路面電車とバスを経営しておりますが、いまご紹介がありましたように超低床電車とノンステップバス両方を入れましたので、ここでお話しする機会を与えられたわけでございます。ありがとうございます。

私ども熊本市は従前から県とともに高齢者あるいは障害者の方々の社会参加を促す事業をいろいろ展開してまいりました。平成6年度からは国の指定を受けまして、「やさしいまちづくり推進事業」に取り組み、県では平成7年の3月に「やさしいまちづくり条例」、市では7年の4月に「熊本市やさしいまちづくり総合計画」を策定いたしました。

私ども熊本市交通局もこの状況を受けまして、平成6年度にリフト付きバスを1両、平成7年度にワンステップスロープ付きバスを2両導入いたしました。これらの車両は概ね好評でございましたが、体の不自由な方だけではなく、だれにでもやさしい、だれにでも利用しやすい車両を導入してくれという声がわき上がりまして、ノンステップバスの導入が待たれていたわけでございます。国産のノンステップバスの動向を見守っていたわけでございますが、平成8年度になりまして、東京、大阪、名古屋の大都市部で導入されたのを受けまして、私どもも9年度に3両導入することになりました。

余談でございますけれど、熊本には「もっこす」という言葉と「わさもん」という言葉がございます。「わさもん」は新しもの好きということで、新しいものがあるとすぐ手を出すところがありまして、バスもかなり早めに導入させていただいたわけでございます。

導入に当たりましては、一般会計から一般バスとの車両の購入費の差額を補助していただきました。交通モビリティ・エコロジー財団からも補助をいただきまして、苦しい経営の中で大変ありがたく思っております。

先ほど申し上げましたように、私どもは軌道事業、いわゆる路面電車ですが、いま全国で大分数が減りましたけれど、経営しておりまして、本年の8月2日からヨーロピアンスタイルの超低床電車、連接車ですが1編成2両を導入いたしました。バスのほうは10月1日から順次運行を開始いたしまして、本日17日がちょうど3両目の運行開始に当たっております。電車もバスも非常にお客様に好評で、だれにでもやさしい車両、だれにでも乗りやすい車両ということで、特に妊婦さんや子供さんたちから好評をいただいております。

バスのほうは今までのデザインと少し変えまして、風船を持った子供さんやお母さんが手をつないでいたり、車いすに乗った方を押しておられるようなシールをバスの側面に張って、ほのぼのとした雰囲気を醸し出すようにしております。

ただ、結構づくめではございません。いくつか課題もございます。バス側というより道路側の問題かもしれませんが、路面電車では車いすがご利用ができる停留所が非常に少ないということ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION