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が一つの課題です。停留所のプラットホームに段差があることと、幅が狭くて車いすが乗れないということがその理由でございます。段差については鋭意改修工事を行っておりますが、停留所の幅については道路幅員との関連がありますので、即対応が難しく、警察・道路管理者等を含めた中で検討するときの大きな課題として残っております。停留所を広げると車線がつぶれるということで、今の状況ではできないようです。

バスについても、最も大きな課題はやはり停留所の件でございます。リフト車もスロープ車も道路が狭くて歩道がないところや、歩道があっても狭いところではリフトやスロープの引き出しができないわけです。

先ほど申し上げましたが熊本市は旧城下町で、お客様の多い路線は道路の幅の狭い路線が多うございますのでいろいろ大変です。駐車場の入り口ですとか、スーパーや病院の用地などを利用して、スロープやリフトの引き出しを行っていますが、やはり道路の拡幅が最終的には必要ではないかと考えております。

また、車両設備については乗務員から若干要望が上がっております。これは構造上やむを得ないと思いますが、車内後部のスロープあるいは段差が非常に心配である。お客様の足元を不安にさせないか。先ほどのメーカーさんのお話を聞くとやむを得ないとは思いますが、後ろから下りられるとき、バタバタと走って来られて前に転倒されるのではないかということで、車内事故の発生を危惧しております。私どももより一層慎重な運転を指導しているところでございます。

懸念されました車いすご乗車による遅れに対するお客様の苦情は全くございませんで、私どもも安堵しております。ちなみに1日1両あたりの車いすのご利用は1人から2人程度ということで、さほど多いものではございません。車両数が少ないから便数が非常に少なく、路線も限定されております。道路、建物、施設を含めた総合的なバリアフリー化が進み、体の不自由な方がいつでもどこでも車いすで出掛けられるようなバリアフリーが進んでいくことによって、もっともっとご利用が進むのではないかと思っております。

平成7年に熊本市が実施しました公共交通機関の意識調査の中で、公共交通機関の果たす役割について、高齢者や身障者の方が安心して乗れる車両をという声が非常に大きく上がっております。このことは公共交通機関の福祉対策に対する市民意識が非常に高いことを物語っております。私どもも市民や利用者のニーズを踏まえて、人にやさしい交通機関たり得るべく、今後もノンステップバスや超低床電車の増備を検討していきたいと考えております。

車両メーカーの皆様方にお願いでございます。種々大変な面があるかと思いますが、これからもより乗りやすく、利用しやすい車両の開発にご尽力をいただきまして、もっと安い価格で私どもバス事業者にご提供いただけますならば、非常にありがたく思っております。大変雑ぱくではございますが、ご報告を終わります。ありがとうございました。

 

 

 

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