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(2)導入自治体・バス事業者による説明

?旭川電気軌道株式会社

社長 豊島 弘通

 

(司会)旭川市では市を挙げてバリアフリーのまちづくりに積極的に取り組んでおられますが、その中で旭川電気軌道株式会社様はノンステップバスをいち早く取り入れて運行されております。

(豊島)豊島でございます。実を言いますと、この会を主催していただいております会から、私どもがバスを入れるに関しまして、大変多額な補助金をいただきました。運輸省さん、自治体さんも出しましょうというお話だったのですが、規則的にまだ確定してなくて、昨年度はまだ無理だったようでございます。そういう関係で、ぜひ話せと言われまして、話し上手でもありませんが、お世話になっている以上はと思い、伺った次第です。お聞き苦しい点がございましたら、お許しいただきたいと思います。

もう大分前になりますが、ヨーロッパを妻と2人で旅行していまして、ノンステップバスに乗りました。バス会社なものですから、どこに行きましてもバスに乗るのですが、ノンステップバスに乗りまして、パリでしたが、車いすの方が乗って来られた。これはすばらしいなと思いました。と申しますのは、車いすを特別扱いしていないのです。普通の人と同じです。先ほどバリアフリーというお話がございましたけれど、意識してバリアフリーではなくて、当然のようにバリアフリーであってしかるべきだなと思いました。

どうしてかと申しますと、私も頭がはげてきました。環状線に乗って、立っていましたら、前にいるご婦人3人がパッと立ち上がられたんです。ドキッとしました。見たらシルバーシートと書いてあったんです。これはとんでもないところに立ってしまった。私もそんなに年を取ったのかなと思って、つくづく嫌な思いをしたことがございます。

どんな人も障害なんてないように普通に生活をする。これが一つの文化だと思いました。妻に言われたせいもあるんですが、なるべく差別しない世界ですね。そのためにはノンステップバスは絶対に必要だなと思いました。

例えば若いご婦人がベビーカーに赤ちゃんを乗せて入って来ました。私どもはスーパーをやっていますから、来ていただいて、たくさんお買いいただくのがよろしいので、駐車場を非常に広く必要とするわけです。駐車場を非常に広くするということは、とても大きな投資ですが、その投資を行います。お客様はカートで車のところまで持って行って、お車のトランクにお積みいただくと時により腰をいためます。カートのままバスに乗せて自宅まで持って行けると腰が痛くなる必要はございませんね。買い物をしたら、そのままうちに帰れる。そういうのがいいのではないのでしょうか。

先ほどちょっとお話がございましたけれど、2、3年前までは、老人はなるべく寝たきりにし

 

 

 

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