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車ですが重量はむしろ軽くなっているようです。室内高をどれくらいに設定するか、ドライビングポジションをどうするか、車体硬性をどこでどの程度もたせるか、各社それぞれの考え方、制約等があり、このような変化になっているものと推察されます。

ラッシュのつめ込みに関しては、タイヤハウスの出張りが目立ったり、後部のレイアウトで通路段差や斜面床があるノンステップバスでは、明らかに不利になると思います。段差とスロープでは、国内では段差を嫌う傾向にあるようですが、外国では斜面はむしろ立ちにくいとして段差を採用する例もあります。利用者の慣れの問題かもしれません。

いずれにせよ現状のノンステップバスでは後部に立席者をつめ込むのには適した構造になっていませんので、ラッシュのピークの時には、例えばハネ上げシートをたたみ、中央部の立席空間を広げるという方向で考えてみるのも一案です。

増加コストについては、個人的には、行政の側からの補助を期待するべきと考えます。クロスセクターベネフィットについて、具体的な数値が上がり、効果が目に見えてでてくるようになるまでには、少し時間が必要と思われますので、投資額と期待効果の関係のバランスポイントがどの辺にくるのか明言できませんが、移動と交通にお金をかけることへのコンセンサスを得るための議論が重要かと思います。

バスの価格ですが、普通のバスで1500万円というのは、むしろメーカ内での工数を考えると安すぎで、ほとんど赤字というのをよく聞きます。ですから2000万のバスが標準化で1500万になるとは考えにくいことですが、工数削減を徹底すれば100万オーダでのコストダウンは可能と思います。

 

(質問2)三菱自動車さんに東京モーターショーでコンプリートカーで出展されていました小型のノンステップの車についてお聞きしたいのですが、発売等はいつごろを考えていますか。

(三菱自動車工業)あれはショー用の車でございまして、未来の車として開発しておりますが、今のところ発表・発売の時期等はまだ決まっておりません。

 

(質問3)報道の関係の者です。興味がありましたのでまいりました。いま4車種見比べてみますと、ずいぶん違いがあるなと感じました。前段のお話と関連してちょっと気になるところは、車いすの方を後ろ向きに乗せるのがヨーロッパの標準だという秋山先生のお話でした。それに対して日本のメーカーさんはみんな前向きのようです。これを固定する必要があるのかないのか。固定するとしたらどういうふうにすればいいのか。安全にかかわることなんで、事業者さんが車を選ぶときにそれぞれ考えるというのはちょっと難しいのではないかと考えます。

後援の中に運輸省さん、厚生省さんもいらっしゃいます。車いすの方をどういうふうに乗せたらいいのだろうかという公的な議論ができるのかどうか。その辺のご見解をいただけるとありがたいのですが。

 

 

 

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