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質疑応答

(質問1)私はバス会社の出身であります。国の運輸政策等に関するスタンスとバス会社のスタンスとをごちゃまぜにしてご質問なり、ご意見なりを言わせていただきたいと思います。

まず、ノンステップバスを導入されているバス事業者の方に伺いたいのですが、従来の床高が80センチぐらいのバスと比べて、このノンステップバスの特にラッシュ時における実行輸送力はどうなのかという問題です。増発等の問題が通常の低床車と同じぐらいで起こるのか。もっと激しいのか。話を聞きますと、内部の段差がありますと乗降に時間がかかって、最終的には実行収容力に問題があると聞いております。中型程度の線をイメージするのならかまわないと思いますが、その辺の現状をユーザーの皆様からお聞かせいただければと思います。

次に、秋山先生、鎌田先生のご指摘もありましたとおり、モータリゼーションの進展あるいは高齢化社会の中で、バスの利用者を確保し、イメージアップしていくにはノンステップバスは多分必要不可欠であろうと思います。先ほどもご指摘がありましたけれど、その辺のコンセプトは旭川電気さんなどはずいぶん持っておられます。いまご指摘があったように、大ざっぱな話として普通仕様車だと1台1500万であるのがノンステップバスだと2000万ということで、約3割ほど車両価格が上がります。これに対して普通のバスの運賃は全国平均して200円前後ではないかと思います。コミュニティバスだと100円ぐらい。一般の都市バスでも200円以上は嫌われるという感じがある中で、この増加コストの吸収をどうしていくのか。

端的に言うとこれは事業者が負担するのか、あるいは地域交通のインフラとして利用者負担以外の支援が自治体なり何なりからあるのか。先ほどいろいろご示唆がありましたクロスセクターベネフィットの考え方等、どの程度現実に期待できるのか。それと、いま鎌田先生からご指摘がありましたメーカーのコストダウンの可能性。ロットとか標準化で2000万のバスが1500万になるのか。

事業者も顧客満足度とか明確なコンセプトを持ってやっていけば、あるいはいろいろなリスク等に挑戦できるのかもわかりませんが、増収を見込めなければ減価償却費の範囲内の投資という非情な経営の論理もあるようですから、その辺をどう解消していくのかというところが問題だと思います。

この辺で、ご説明できないものもあるかと思いますけれども、できたらよろしくお願いしたいと思います。以上です。

(三菱自動車工業)まず定員の件だけ答えたいと思います。当社のカタログ値にあります定員82名というのは、運輸省への届出値ということで、標準仕様の車で設定いたしております。これには車いす用の横向きシートをつけたり、いろいろ装備をつけますと70名ぐらいになるというのが今まで展示されています仕様の車だと思います。

(鎌田・東京大学 後日補足)定員は座席数と有効床面積、軸重の制約等から決まってきます。車いす対応の横向きハネ上げシートを採用すると立席用床面積が減り、70名前後となるのが標準的のようです。ただ、三菱車と他社車では車のつくり方のコンセプトが異なり、同じWB車でも重量がかなり異なっています。大阪市交通局の三菱車と日産デイーゼル車では、前者の方が長尺

 

 

 

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