日本財団 図書館


たもやらなくていい」とか、そういうバーゲニングなんですね。アメリカにどうしても減らしてほしいと思った時に、「アメリカさん、あなたやってください」というだけでは向こうは「うん」と言わないんですよね。「私たちはこれだけやっています。だからあなたもやってください」とこちらの努力を見せないと、他の国を説得することはできません。アメリカもそうですし、今度COP3でこの問題は終わるわけではなくて、今までの長い歴史を見ていただいておわかりいただけたかと思いますけれども、COP3はあくまでも通過地点です。COP3の後で今度は途上国をどうしようかという話に絶対になってくるんですね。その時に途上国に何かしてくださいという時に、必ず返ってくる答えは「しかし先進国さん、あなたたちは今までエネルギーをいっぱい使って豊かな生活をしてきたでしょう。では私たちだってそのレベルに達するまで好きにやっていいんじゃないですか」という答えが今も返ってきていますし、将来も返ってくるでしょう。その時に私たちはこういうことをやって成功しました、特に運輸政策でしたら、今は途上国で非常に深刻な問題を抱えているのは大気汚染の問題です。その時に私たちの町はこれできれいになりましたと言えば、CO2だけではなくて、途上国の大気汚染の問題の解決にも貢献することができます。

そういうことで、私たちが車に乗らないとか、バスを使うということが世界にとって何の役に立つんだろう。こんなわずかなCO2しか減らせないじゃないかというふうに思いがちですけれども、実はそれは自分一人が減らすというこの積み重ねが、日本の排出量を減らすことになりますし、それを私たちが海外に向かって宣伝すれば、海外もそれによって説得できるわけですから、世界の排出量を減らすことにもつながるわけです。逆の言い方を申し上げますと、むしろそういう方法でしか、今の交渉というのは先に進まないような状況になっておりますので、ぜひ身近なところからご協力いただきまして、COP3以降も新しい社会づくり、CO2の少ない社会づくりにご協力いただきたいと思います。

 

自治体での取り組みの報告

 

【環境にやさしい交通体系の実現をめざして】

松江市長 宮岡 寿雄

略歴

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION