日本財団 図書館


「自動車のリサイクルについて」

日産自動車株式会社 環境・安全技術部長  樋口 世喜夫

 

ただいま紹介していただきました日産自動車の環境・安全技術部の樋口でございます。

きょうはこのような場でお話しさせていただくことを非常に感激しております。 ただ、 時間の関係もありますので、 資料に書いてございますので、 紹介するということでポイントだけをご紹介させていただきたいと思います。

いま自動車産業が置かれている環境には、 大きく分ければ3つあるのかなと思います。 一つは、 いままでお話がありましたようなたとえば排出ガスの清浄化とか、 あるいはもう一つは騒音問題、 これは局地的な環境問題だと思います。 それから、 いま盛んに議論されておりますCO2問題、 これはいわゆるグローバルな環境問題ということだと思います。 もう一つは、 資源的なものに関わるものでございますが、 リサイクルあるいは廃棄物といった3つの大きな課題があるものと思っております。 きょうは、 その3つ目のリサイクル、 廃棄物関係についてお話しさせていただきたいと思いますが、 これにつきましても、 自動車というのはいわゆる生産というものと、 あるいは製品と2つございます。 ところが、 生産段階におきましてはもう96%から98%リサイクルされております。 したがいまして、 特に多くの方に関わっております使用済み自動車につきましてお話しさせていただければと思います。

いまここにありますように、 資料の目次を掲げてございます。 きょうお話しさせていただきますのは、 産業廃棄物並びに自動車に関わる廃棄物の状況、 それから使用済み自動車の処理形態、 使用済み自動車に関わる政策、 それから日産並びに自動車業界の取り組み、 その他というふうに考えております。 実は環境問題というのは、 すぐにコストにどうか、 あるいはもうけにどうかということがわかりにくいところもございますので、 全社的にはきちっとしたマネージメントシステムをつくりましていま進めております。 全社的な環境統括委員会というのを設けておりまして、 その事務局を環境・安全技術部、 私のところでやっておりますので、 いろいろご説明できるかと思います。 その中には、 実はリサイクル推進委員会というのがございまして、 会社全体の中でリサイクルをどうやっていくかというのを議論しているわけであります。

ご存じのとおり、 産業廃棄物の発生量でございますけれども、 年間約4億トン発生しておりまして、 そのうち多くのものは建設、 農業関係でございますが、 使用済み自動車につきましては、 シュレッダーダストという形で産業廃棄物が発生しております。 それがこのグラフでは、 左の方でその他に入っておりますが、 年間80万トンでございます。 これは全体の産業廃棄物のコンマ2%ということでございます。 種類別に見ましても、 汚泥がほとんどでございまして、 あと動物の糞尿、 建設廃材といったものが主な産業廃棄物でございます。 ところが、 このようにシュレッダーダストというのはコンマ2%ということでございますけれども、 去年の4月からその捨てる場所がいわゆる安定型という、 ただ単に穴

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION