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を掘って捨てればいいというところから、 管理型といって、 ゴムシートを張った管理されたところに捨てるということになりました。 ところが、 その処理場の容量がだんだんなくなってきまして、 厚生省の計算によりますと、 2008年あるいは2007年くらいになりますと、 計算でいえば捨てるところがなくなるよということもありまして、 自動車産業としても、 それじゃ何とかしてごみを少なくしていこうということが最近急に起きてきております。

一方、 日本とヨーロッパでよくリサイクルの比較がされるわけでございますが、 これで見ますと日本の場合、 使用済みの自動車というのは年間約500万台出ております。 それで、 シュレッダーダストは先ほど申し上げました年間80万トン、 実は不法投棄の車というのは年間1万2,000台で、 約0.24%というのが不法投棄でございます。 ところが、 ヨーロッパの方を見ますと、 使用済み自動車の台数が年間800万台、 シュレッダーダストの量が年間190万トンということでございます。 不法投棄の車の割合を見ますと、 欧州の方は7%、 台数にしますと年間約60万台が湖の底にいたり、 あるいは山の中に捨てられているという状態でございます。 一方、 ドイツでは使用済み自動車の7割が国外に輸出されている。 こういうような実情でして、 ヨーロッパの場合はテイクバックシステム、 引取制度、 いわゆる使わなくなった車をどうやって引き取るかというのが非常に大きな課題になって、 それがいま各国で法制化されようか、 あるいは自主的な約束ごとをしていこうという動きでございます。 ただ、 日本の場合は、 実はこの回収システムというのはほとんどできております。 皆様方もおそらく下取制度をご利用されると思いますが、 販売店あるいは中古車販売店等に持ち込みますと、 そこで抹消登録しますね。 抹消登録しない限り、 ずっと自動車税がかかりっぱなしになるわけです。 そういう仕組みもありまして、 日本の場合はいわゆる回収システムというのはヨーロッパに比べてはかなりできている。 問題は、 それ以降をどうするかというのが、 日本もヨーロッパも今後の課題になってきているわけであります。

これが廃車処理、 リサイクルのフローでございます。 廃車が年間 500万台ございます。 販売会社で25%、 中古車、 モーターズ等で70%、 個人で5%というものが解体業者さんの方に持ち込まれるわけでございます。 そうしますと、 その中でいわゆる金目のものを全部解体いたします。 たとえばエンジン、 ミッション、 タイヤ、 ホイール、 電装関係、 これは一部は中古部品に行きますし、 一部は輸出されます。 それから、 解体されたものがシュレッダー屋さんに行きまして、 それが粉々にされまして、 その中で鉄、 それから非鉄金属が回収されまして、 あと残りがプラスチック、 それからごみ、 ガラス等になりまして、 それがいわゆるシュレッダーダストになるわけです。 先ほど棚沢さんの方からお話しございましたように、 これからさらに軽量化をしてCO2を少なくてしていこうということですと、 やはりプラスチックのごみといったものをどうするかということになるわけです。 そのプラスチックをごみにしないでそれを再生して、 それをさらに使っていこうということがいわゆるリサイクルであるわけであります。 そのシュレッダーダストの組成でございます

 

 

 

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