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そしてこの観光業における私どもの状況を見てみると、徐々にこの20年間観光客数が上がってきた。そしてこれはとても意味のあることだと思うんです。

では、この20年間のどのような変化が見られたかということですが、まず私どもの観光商品の質がよくなってきた。さらにプロモーションの仕方もよくなってまいりました。観光商品には3つの主要な側面があります。インフラと建物、それからプロモーションであります。

インフラストラクチャー、それから建物がきちんとしていればいいでしょう。つまり交通施設がきちんとあり、ホテルやその他の宿泊施設や娯楽施設、食事場所などといったような構造物がきちんとしていて、そしてその後プロモーションを始めるわけです。しかしながら必ずしもそのやり方でする必要はありません。まず小さい規模で3つすべてを開発し、そして徐々にその3つの発展の幅を上げていくということができると思います。

もちろん日本というのはそれほど簡単に商品を売れるところではありません。トルコの場合には特に国が遠いということもありますし、生産性があり、また長期的に関係づくりをするというのが他の国に比べて簡単ではありません。

ですから政府の方が一生懸命やろうということを言っても、民間部門の関心を得るにはさらに時間がかかるということになります、日本の話です。しかしながら一旦きちんとしたつながりができますと、長期的な関係がついてくるものです。

このビジネススタイルの日本のやり方というのは、西洋とは違っているかもしれません。正直に言いまして、私たちは徐々に努力をすることによっていろんな疑念を払拭していく必要があります。しかしトルコの観光業に対して日本の観光業界の皆さんから関心を得られだというのは、例えばある国で観光見本市をし、そして戻って来て接触を継続し、何らかの契約を結ぶ。これは短期のやり方であって、長期的な関係づくりにはならないかもしれません。しかしながら十分に確信を持って努力を続ければ、日本で成功し得ると思います。

それから若干日本の観光業の皆様に対してお話し申し上げます。

多数のシルクロード諸国がこちらに出席しています。そして私どもには貴重な資産があります。中にはずっと前から観光開発を始めている、そしてある程度達成したという諸国もあり、また他の諸国を見てみるとまだ十分に観光業が開発されていないというところがあるでしょう。公正な見方をしてそういうことが言えると思います。

さらに諸国の中には今やっと始めたばかりだというところもあります。ですから観光商品も国によって違います。しかしまさにそれが魅力の源だと思うんです。私たちの諸国の中には、皆さんの求める要求にすべて今即満たせるものはないかもしれませんが、私たちには豊かな文化と長い歴史があります。私たちの観光商品はパーフェクト、完全ではないかもしれません。そして完全にきちんと開発されていないかもしれません。でもとても魅力があることは確かですし、他に類を見ない貴重な文物があります。このような他に類を見ない特性をもってすれば、日本の皆様に魅力がないわけはないと思うんです。

ですから、どうぞ我々シルクロード諸国が持つ歴史・文化の資産を消化していただきたいと思います。これらは日本の市場の皆様を引きつける最大の要素であると私は思っています。

再度日本の観光業の皆様にお願い申し上げますが、ぜひ私たちと一緒に手を組んで、より良いシルクロード商品をつくりあげていきましょう。近い将来成功するものと確信しております。ありがとうございました。

 

 

 

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