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能力向上」、「新疆地区空港の現況と国際空港登録の現状」、「飛行制限空域の飛行」などにふれ、中国機(B757/767クラス)の直行便の運航は需要があれば可能であり、外国機の運航は飛行制限の解消など、条件整備次第によるものであると述べた。

 

「日本人海外旅行マーケットで成功するには、その経験的アドバイス」

講演者 ヌハヤット・オルンドゥ トルコ政府観光局長

1977年、東京にトルコ政府観光局を開設し4年間にわたり促進活動を立ち上げ、1996年末に再度赴任し、トルコヘの日本人海外旅行者マーケットの喚起努力を続けている経験から、列席のシルクロード関連諸国のメンバーへ当マーケット開拓へのアドバイスを行った。(注:トルコへの日本人渡航者数:1995年 225,977人、世界観光統計資料集1997年版、APTEC編)整備された空港と国内交通機関、国際水準のホテル(施設、サービス面で)、整備された通信網、熟練した旅行業従事者が質の高いツアー商品造成に欠かせない。一方、旅行者誘致のためのプロモーションの地道な努力と研究も欠かせない。日本の旅行関係者と信頼関係を築くのに長時間を要す上、彼等にとり当初トルコは遠い国であり、日本マーケットに浸透するのは容易でなかった。だが、一度信頼関係が出来ると他の西欧諸国と異なり長く続く。プロモーションに於いて歴史資源と文化資源は切り札となる。

 

まとめ

コーディネイターの樋口比及び山下氏の指名により新井氏がパネル討論会のまとめを行った。プレゼンテーションについては、?シルクロードの歴史・文化的資源を大切に活用しその共通性を認識することが重要、?精度・質の高い情報提供の必要性、?航空便乗り入れを受ける体制造りの必要性、?多くの日本人旅行者に来てもらうには受け入れ国側からの積極的かつ継続性のあるプロモーションが不可欠であること。参加した官民をあげて目指すべきことは、シルクロードの様々な国と目的地へ誰でもいつでも行ける旅行の通年化及び周遊化である。「小さく産んで大きく育てる」という日本の諺どおり、今回、ここに集まったシルクロード旅行関係者が協力してシルクロード旅行を盛りたてて行く必要がある。

 

【シルクロード諸国の国別プレゼンテーション】

参加13ヵ国の代表が、シルクロード観光を中心にプレゼンテーションを行った。

13ヵ国は、中国、エジプト、ギリシャ、グルジア、イラン、カザフスタン、韓国、モンゴル、パキスタン、シリア、トルコ、ウズベキスタン、ロシア。

 

【ワークショップ】

モデレーター 広尾克子 (株)日本旅行西日本マッハ事業部長

(社)日本旅行業協会(JATA)の協力を得て、東京からも多数の日本の旅行業及び航空関係者などが参加し、シルクロード各国の観光当局者及びランドオペレーターと一同に会し自由に討論する場が日本において初めて実現した。一時間にわたる活発な質疑応答、意見交換を通じ、日本側から、複数以上のシルクロード諸国を訪れる場合のビザ発給の簡易化の要望、在日政府観光局が無い諸国について現地情報資料の入手が困難であるとの訴えなどが為され、またWTO及びAPTECが今後ともさまざまな形でシルクロード諸国との観光交流を促進していくことに対する熱い期待が表明された。

 

 

 

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