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◇与板郷消防本部◇(新潟)

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与板郷消防本部は、与板町・和島村・中之島町・三島町から構成されており、新潟県のほぼ中央部に位置している。肥えた大地と母なる大河・信濃川からの豊富な水によって育まれる「コシヒカリ」は、全国に知れ渡り、また、戦国の世から400余年をも鍛えに鍛えられた越後与板の打刃物(かんな・のみ・まさかり・ちょうな等)は、全国一の主産地として有名である。「米どころは、酒どころ」おいしいお米と良質の伏流水に恵まれた管内には、5件の造り酒屋がある。この酒造りが題材となってフジテレビ系で放映されたドラマ「夏子の酒」は、和島村にある蔵元の話で話題を呼んだ。

近年、北陸高速道の開通に伴い高速交通の拠点地域としての開発が進められ、商・工業の進出が目立ち、また、隣接市のベッドタウンとして人口が年々増加している。

組合消防発足は、昭和51年4月、現在の体制は、1本部・1署・1分遣所、46人の職員で総面積130.93k?u、人口33,499人の安全を日夜見守っている。

★人命最優先!

管内に大きな病院がなく、救急搬送の80〜90%が隣接の長岡市の病院へ搬送する。人命を最優先にと当本部は、救急救命士の養成と高規格救急自動車の導入を早期に実現した。(平成7年度)

救急救命士は、現在1人が養成所に、また、平成10年度の養成所派遣がすでに決定している。

「人の命を預かっているので、 一生懸命勉強してほしい。」と山田次長は語る。職員個々のレベルアップを図るため、少ない職員数をやり繰りしながら、積極的に研修等に職員を派遣している。

また、当本部では、応急救護の普及・啓発を積極的に進めている。

救急自動車が到着するまでの間、身近にいる人の対応が、いかに大切であるかを学校・事業所等を対象に講習を実施している。消防本部を訪れた7月中旬には、すでにプールでの事故を想定した応急救護の講習を9回実施。以後の予定もしっかり組まれていた。

★災害弱者の把握!

地域住民とのふれあいと、災害弱者の把握を目的として、平成3年から住宅防火診断を実施している。65歳以上の一人暮らしのお宅を予防課の職員が専任で、町村担当課と連絡を取り合い、各地区担当者と一緒に訪問する。

世間話から防火の話へと、身の回りの話題でついつい長居してしまうそうだ。しかし、お年寄りからは、「今年は、いつ来てくれるか楽しみなんです。」という声も聞こえるようになってきたという。地道な活動が着実に実を結んでいる。

★地域と一体となって!

春・秋の火災予防運動中は、火災予防を呼びかけるチラシを作成し、全家庭に配布する。また、火災予防の気持ちを喚起してもらうため、消防車両で管内を巡回している。

各町村の消防団とは、連絡消防協議会を設け、普段から連絡を密に取り合い、特に春と秋には、消防本部・消防団合同の火災想定訓練を実施し、災害活動での連携を図っている。

また、消防本部庁舎敷地内には、照明設備が整った、ポンプ操法等の訓練スペースが確保されている。

目に眩しい黄緑の田に囲まれた消防本部庁舎は、曲線を取り入れたデザインで、目を引く建物である。2階事務室からは、与板の町並みが見渡せ、地域のランドマーク的存在となっている。

「貴重な財産を守るため、職員個々で研鑽を積んでもらいたい。」と平澤消防長は語る。一人ひとりの努力が揺るぎない力となって与板郷消防を支えていくことだろう。

(佐藤 俊夫)

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