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◇津幡町消防本部◇(石川)

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津幡町は、石川県のほぼ中央に位置し、古来、加賀・能登・越中を結ぶ交通の要衝として栄えてきた町である。現在は、北陸の中核都市金沢市のベッドタウンとして毎年1,000人以上の人口が増力してぃる。

町の中央には本州一広い石川県森林公園、平野部の水田地帯に続く河北潟には、全国有数の漕艇競技場、富山県境には、千葉県の成田不動尊、神奈川県の大山不動尊と共に日本三大不動尊の一尊といわれる倶利伽羅不動尊があり、この地は源氏軍の木曽義仲が500頭余りの年の角にたいまつをつけて、平維盛率いる平家の陣に追い入れ、勝利をあげた「火牛の計」で名高い倶利伽羅源平古戦場としても有名である。 (写真)

消防の歴史は、昭和30年の1町6村の町村合併に伴い整備され、現在1本部・1消防署の体制で34人の職員と1団・10分団166人の消防団員で面積約111k?u、人口約33,000人の防災の任に当たっている。

★充実した消防施設

平成6年に総工費5億8千万円で鉄骨造三階建て、延べ面積2,120?uの新庁舎が完成した。この庁舎は、将来の職員の増員を考慮し、60人体制にも十分対応できるようゆとりある設計となっている。

また、平成7年には、総工費1億7千万円で消防緊急指令施設が完成し、この施設の完成により、出場指令書に目標物、消防水利等の自動表示、団招集サイレンの自動化、ポケットベルによる職員及び団員招集の自動化、災害弱者緊急通報装置の導入等を行い、火災等の災害に迅速に対応できる体制を取っている。

★地震防災緊急事業計画

阪神淡路大震災を契機として、災害に強いまちづくりをめざし、すでに、災害備蓄庫の建設、飲料水浄化装置の導入、耐震防火水槽の設置(100t1基、40t45基)、コミュニティー防災資器材の整備(計18セット、5セット整備済)、消防団車両の更新(10台中7台更新)等を実施しているが、今後、更に飲料水兼用型防火水槽の設置、食料、医薬品等の備蓄を進めていく予定である。

★自主防災組織の育成強化

今年3月、町内全域に9クラブ3,000人余の自主防災組織が誕生した。今後は、行政と自主防災クラブが一体となり、積極的な訓練の実施、消火、救急、救助等の防災資器材の整備を行い、真に災害に強い町づくりに取り組んでいくとのことである。

★救急業務の高度化

平成8年の救出出場は553件で、前年比92件の増となっている。現在4人の救急救命士と2台の救急車(1台は高規格車)で運用しているが、今後は2台の高規格救急車と6人の救急救命士により救急業務を行う計画であり、救急救命士の養成を早急に実施する予定である。

★将来構想

管内には、国道8号線及び159号線、JR北陸本線、七尾線が通っており、更に国道バイパスの完成により大幅な人口増が見込まれるため、分署の新設、消防団員の増員等消防力の強化実現が急務となっている。

★職員の個性を重視

津幡町消防本部の職員の中には、自転車競技でアジア選手権に出場した職員、漕艇競技で活躍している職員がおり、そこで錬成された体力、精神力は、消防の任務に大いに発揮されるものであり、池田消防長も「私は今年4月1日に消防長となった1年生ですので消防のことを懸命に勉強中です。職員には広い分野で自分の個性を生かし、住民に信頼される消防人をめざしてほしい。」と語っており、各個人のトータル面を重視した人材育成に力を入れている。

(椎谷 敦)

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