火災
製造所爆発火災
与勝事務組合消防本部(沖縄)
はじめに
当消防本部は、沖縄本島中部の具志川市と隣接し、太平洋側に突き出た与勝半島とその周辺の島々からなり、与那城町、勝連町の両町で構成され消防事務を処理している。
当管内の面積は、31.5K?u、人口は、約28,000人、その区域を、1本部・1署・1出張所、職員51人体制で住民の安全を守っている。
また、管内には政令指定された、石油コンビナート等特別防災区域の平安座地区があり、原油備蓄、石油精製が主体で、原油の総貯蔵量は613.8万kl、危険物の総貯蔵量、取扱量は、約786,6万klと国内でも大型原油備蓄基地として重要視されている。
紹介する火災は、石油コンビナート地区の製油所内で発生した、「加熱炉爆発火災」である。
1 火災概要
(1) 出火日時
平成8年4月26日(金)
21時35分頃
(2) 出火場所
与那城町字平安座2792番地製油所内
(3) 覚 知
26日 21時39分
(ホットライン)
(4) 鎮 火
27日 3時50分
(5) 気象状況
天候晴れ、風向北東、風速2m/S
気温21℃、湿度68%
(6) 死傷者なし
(7) 施設等の被害状況
*加熱炉本体及び配管破損
*排ガスダクト焼損
*集合煙突塗料の焼損
*反応塔保温材板金の焼損
(8) 損 害 18,550万円
(9) 原 因
配管破損原料油流出による爆発・火災
2 出動車両及び人員
消防本部・消防署・消防団 8台 29人
自衛防災隊 5台 18人
共同防災隊 6台 16人
合 計 19台 63人
3 現場の状況
「ドカーン」という激しい衝撃音に続いて数10mの火柱が加熱炉上部と集合煙突から上がったり、下がったりくり返し、おびただしい黒煙が不気味に夜空を包んだ。
発災場所となった、重油直接脱硫装置は原料油をポンプで昇圧し、水素ガスと混合し、熱交換器で加熱された後、反応塔供給加熱炉(発災設備)で反応に必要な温度まで昇温させ、反応塔に張り込まれる。
反応塔内部で原料油中の硫黄分が水素と反応し硫化水素に変換される。反応塔を出た油は、分離槽で油とガスに分離され、ガスは、循環ガスアミン溶液接触塔で、ガス中の硫化水素をアミン水溶液で取り除いた後、