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水素循環ガス圧縮機で循環される。分離槽で分離された油は次工程である蒸留塔系に送られる。

重油直接脱硫装置の原料加熱炉は、精製の過程で原料油を熱し345℃から387℃まで加熱される。炉の内部でバーナーにより加熱炉チューブに原料油を通過させて加熱する装置である。

チューブの直径165.2mm、厚さ11.1mmのステンレス製で、全長678mにわたり炉内の壁面を蛇行している。その一部分から、原料油及びガスが漏れ、バーナーの炎で着火し爆発火災となり、加熱炉上部(コニカル部)が爆発でずれ、そこの開口部と集合煙突から炎が吹き出し、また加熱炉内の耐火材が約80m四方まで飛散した。

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四 活動概要

21時39分、事業所用ホットラインにて製油所内で火災発生との通報により、3点セット(高所放水車・大型化学消防車・泡原液搬送車)8人が出動した。

小隊長は、本部職員及び週休非番職員の非常招集を通信指令室に指示した。

発災場所は、消防本部から約10km、途上において製油所の集合煙突の炎が数十mも上がり、また、その付近の上空には黒煙と炎が入り混じり、未だ経験した事のない異様な状況を確認し、各隊員緊張しながら現場へ向かった。

発災場所近くの地域に、所用で職員が10人いて、衝撃音と事業所上空に炎が上がっているのを目撃し、消防本部へ資機材及び装備品を確保に行く者、消防長と外1人は、現場へ自家用車で駆けつけ、21時45分、現場到着、「現場指揮所」と「指揮本部」を設置した。

発災事業所の自衛防災隊がすでに装置等へ冷却注水、共同防災隊も現場到着していた。

22時00分、公設消防の3点セット隊到着、部署設定し22時07分放水を開始した。

装置内への配管等は緊急停止されており、停止以前に張り込んだ原料油と水素ガスが

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