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えられる。したがって、次年度以降、諸外国の性能試験等を調査するとともに、後述する航空機散布用油処理剤の性能試験であるMDPC法を確立する必要がある。

  

(3) 化学的油防除資機材の使用方法の確立

現在、ゲル化剤等回収を要する資機材の回収方法、及び油処理剤の適正な散布方法等について十分確立されているとは言えない。したがって、本年度の試験結果である化学的油防除資機材の有効範囲を踏まえたうえで、使用方法について確立する必要がある。

  

(4) 油種による相性

動粘度3,000cStに対する通常型油処理剤の散布量は、乳化率20%を基準とすると、散布率約7〜18%の範囲で油処理剤によって大きな差が生じた。通常型油処理剤は非イオン系界面活性剤と溶剤で構成された製品である。このため、油処理剤に使用されている界面活性剤と試験油や流出油に含まれる界面活性物との相性がある。上述の結果は本調査研究で用いたC重油との性能結果であって、他の油であれば、異なる乳化性能を示すことがあり得ることを留意しておく必要がある。したがって、実海域での使用を想定した場合、油種による乳化性能の違いも検討する必要がある。

 

 

 

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