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?-2-2 航空機散布用油処理剤等新規に開発された資機材の調査

平成9年1月2日に発生したロシア船籍タンカー「ナホトカ」号の船体分断・沈没による流出油事故は、発生箇所が沖合であり、かつ、荒天が続き、船舶からの防除処理が十分に出来ず、結果として流出油の沿岸漂着を余儀なくされた。

このような状況では航空機からの油処理剤の散布が有効であるが、これらに対応できる航空機散布用油処理剤が、我が国では実用化されていないのが現状である。

このような現状を鑑み、当センターでは、平成6年度から平成8年度にかけて実施した「大規模油流出防除技術の研究開発」において、有望な航空機散布用油処理剤を試作すると共に、航空機散布用油処理剤の性能試験法(以下MDPC法という)を検討したが、実用化には至っていない。(詳細については、調8-2「大規模油流出防除技術の研究開発報告書 -油処理剤の性能の再評価に関する調査研究最終報告書- 平成9年3月」参照)

そこで、航空機散布用油処理剤を実海域での使用を想定した場合の性能を調査し、新たな試験法であるMDPC法を確立するとともに、実用化に向けた調査研究を行うこととする。

  

?-2-2-1 航空機散布用油処理剤の性能調査

本年度は、試作した航空機散布用油処理剤の両親媒性溶剤と界面活性剤の配合比を変化させ、MDPC法により乳化率と両親媒性溶剤の含有量の関係を調査した。

(1) 試作した航空機散布用油処理剤の乳化性能調査

1) 供試油処理剤

有望な航空機散布用油処理剤であるS-5をもとに、新たに界面活性剤を配合したS-6、S-7を試作した。さらに、S-5とS-7については両親媒性溶剤の割合をそれぞれ変化させ、全6種の供試油処理剤を用いて調査した。

全6種  S-5(0)
  S-5(1/2)
  S-5(1)
  S-6
  S-7(1/2)
  S-7(1)

(注:かっこ内の数字はオリジナルの試作品の両親媒性溶剤の配合を1とした場合の両親媒性溶剤の割合)

2) 各試作品の配合比

各試作品の配合は以下の通り。

 

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