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勤務格差においても、「課長代理クラス」以上の役職で最初の昇進格差を行うとする企業割合が高いなど、勤務年数別・職位層別からみて、昇進格差を他産業に比べ遅く運用している実態が見えた。

 

昇進は、役職位が高まることをいい、配置(人材活用)の問題である。これからは企業がグローバル化し、従業員の就労意識も変化し、雇用全体も流動化の動きにある中で経営の効率化や人材の有効活用が最大の課題となっていくものと思われる。

職位層別・勤務年数別の両面から調査した結果、採用から10年未満の間で昇進格差を行う企業が多いことは、従来の企業内での長期の働きぶりで技能や技術の向上を高めたり、頻繁な配置転換や転勤により熟練度を高めることにより上位の役職位に昇進していくことを重視する日本的雇用慣行、いわゆる勤続年数を昇進の重要な要素とする昇進システムを見直し、早い段階で各人の能力(職務遂行能力(従来の日本型雇用制度の基においては潜在能力であったが))・適性・意欲等を考慮した、結果を重視する能力主義により、いわゆるゼネラリスト型の幹部育成あるいは専門的な知識や技術で企業に貢献するスペシャリスト(専門職)の育成のいずれかの見極め(昇進)によって、人材を育成・有効活用することが企業発展の重要な原動力と見ているのではなかろうか。

 

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