言わざるを得ない。防災を業とするものは、被災者の真の痛みが解る‘被災体験者’であることが望ましい。これが防災専門家であるための『必要条件』であると言いたい。
これで、筆者もやっと防災専門家として一人前になったと思ったが、実はまだまだ修行不足であった。日頃、防災の講演などしているはずの筆者であったが、この度の我が家の火事に際しては、バケツで屋根に水を掛けることしか考えず、ホースのことが全く思い浮かばなかった。これでは、防災専門家としての『十分条件』に欠けるのである。
参考文献:都市における樹木の防火機能に関する研究、岩河信文、東京大学学位論文、1981