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尖閣諸島を巡る紛争と解決の見通し

中国の立場:歴史的事実と共同開発への見通し

 

Ji Guoxing(上海国際問題研究所)

 

出典:The Diaoyudao (Senkaku) Disputes and Prospects For Settlement

(The Korean Journal of Defense Analysis, Vol.VI, No.2 Winter 1994)

著者:Ji Guoxing(上海国際問題研究所アジア太平洋部長)

 

【要約】

 

○ 尖閣諸島を巡る日中間の紛争は、領有権及び関係水域の管轄権の二つの側面から論議を呼んでいる。特に同海域に豊富な天然資源が埋蔵されていることが明らかになった60年代末以降、問題は顕著になっている。

 

○ 中国の立場は、尖閣諸島は16世紀以来中国領であり、下関条約で日本に割譲されたが、終戦と共に中国に復帰したというもの。日本の立場は、同諸島は沖縄県に編入されるまで無主地であり、戦後日本が放棄した領土にも含まれなかったため一貫して日本の領土であるというもの。

 

○ 尖閣諸島の領有権は、東シナ海の境界画定にも重要な影響を与える。解決のための選択肢として、境界画定、第三者の調停、共同開発が考えられるが、このうち共同開発が最も可能性が高いのではないか。

 

 

 

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